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乳がん基礎知識 乳がん検診について

乳がんの早期発見につながる乳がん検診について40歳以上の方に知って欲しいことをまとめました

監修

植松 孝悦 先生(静岡県立静岡がんセンター)

監修

桜井 なおみ 氏((一社)CSRプロジェクト)

監修

徳永 えり子 先生(九州がんセンター)

※ 五十音順

乳がんは、早期発見できれば治療のできる病気です。そのために日々の生活の中でしっかりと身体の状態をチェックしていく必要があります。

ブレストチェック(乳がんのしこりのセルフチェック)を習慣化する以外にも、定期的な検診を受けることもがんの早期発見のために重要です。

乳がん検診が必要な理由は?

乳がんの罹患率は30代後半から上がり始め、40代から50代でひとつのピークを迎えるとされています(※1)。

そのため、特に40歳以上の方は定期的な検診の必要性が高く、厚生労働省では40歳以上の女性には2年に1度の乳がん検診を推奨しているのです。

年齢階級別罹患率(乳房2020年)
※1:国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(2020年)より作成

乳がん検診についてもっと詳しく※

※:外部Webサイト(日本乳癌学会「患者さんのための乳がん診療ガイドライン2023年版」)へ遷移します

乳がん検診には二つの種類があるって本当?

乳がん検診には大きく分けて対策型検診任意型検診の2種類があり、それぞれ目的や特徴が異なります。

対策型検診

公的機関が主体となって実施する検診で、市区町村が行っている住民検診がこれに該当します。この検診は、その地域の「がん死亡率の減少」を目的として導入、公的資金を用いるため、有効性の確立したマンモグラフィ検査に限定して実施されます。

また、対象年齢や頻度が定められていることが特徴で、40歳以上の女性を対象に、2年に1回の検診が推奨されています。この検診は、多くの場合が無料または低料金で受けられるため、広く普及が進んでいます。

任意型検診

任意型検診は、個人の判断で受ける検診、職場で行われる職域検診や主に人間ドックや自由診療で実施されます。この検診は、個人が自分の死亡リスクを下げるために受けるもので、死亡率減少効果が確立されていない視触診や超音波検査なども選択することができます。

対策型検診と異なり、40歳未満でも年齢制限なく受診できたり、実施間隔の制約がないため自身のリスクや関心に応じて柔軟に選択できます。

主な検査内容

乳がん検診で行われる主な検査を紹介します。前述の通り、対策型検診ではマンモグラフィ検査のみの実施が多く、その他の検査については任意型検診で選択できる検査になります。

視触診検査

視触診検査は医師が乳房にしこりや変形、陥没、分泌物、リンパ節のはれがないかをチェックする検査です。

ただ近年では、視触診検査を行わないケースが主流になっています。その理由は、視触診検査ではある程度の大きさになったしこりしか発見できないこと、乳がんの死亡率を減らすというエビデンスがないことが挙げられ、厚生労働省のがん検診部会でもがん検診における視触診検査を推奨しない判断が出ています。

画像検査

乳がん検診の画像検査は、年齢や乳房の状況に応じて、マンモグラフィ検査超音波検査のどちらかを選択します。

一般的には、40歳以上の方はマンモグラフィ、20~30代の方は乳腺超音波を受診することが多いです。これは、年齢が若い人ほど乳腺が高濃度に発達しており、マンモグラフィで異常が発見しづらいためです。

マンモグラフィ検査(X線検査)

マンモグラフィとは乳房専用のX線撮影(レントゲン)のことで、異常を発見しやすくするために乳房を圧迫板で挟み、薄く広げて撮影します。

マンモグラフィ検査(X線検査)イメージ

乳がんがある場合は、画像に白く映ります。しかし、乳腺も白く描出される(高濃度乳房)ため、がんの発見が難しい、またはがんかどうかの判断が難しい場合があります。

そのため乳腺が発達している若い世代には向かないとされています。

超音波検査(エコー検査)

超音波検査は乳房の表面にゼリーを塗って、乳房内の様子を画像化して調べる検査です。

超音波検査(エコー検査)イメージ

超音波を出す器具を直接乳房に当てて動かし、写し出された画像を見ながら診断を行います。超音波は1cm以下の手に触れないしこりを見つけ出すことができます。

ちなみに乳腺が発達している40歳未満の女性の場合は、マンモグラフィ検査では異常がわかりにくく検出率も低いため、超音波検査が有効な場合があります。

乳房MRI検査

MRIを用いた乳がん検査は、痛みがなく高精度な検査が可能で、特に遺伝的にがんになりやすい人には推奨されます。

ただし、他の検査と比較すると費用が高いこと、造影剤を使用することがあるためにアレルギーのリスクがあるなどのデメリットもあるので、そのことを加味して検査を検討する必要があります。

乳がん検診の流れとチェックポイント

対策型検診と任意型検診は、それぞれ以下のような流れで実施されます。

対策型検診

通知の受領

自治体から検診の案内が郵送されます。

予約

指定された医療機関や検診会場で日時を予約します。

問診

検査前に医師または看護師が問診を行います。

主に以下の内容を聞かれますので、あらかじめ回答を準備しておくと良いでしょう。

  • 今までにかかったことのある病気
  • 初経/閉経の年齢
  • 月経周期はどれくらいか
  • 今までの妊娠歴、出産歴
  • 家族の病気の有無
  • 気になる症状
検査

マンモグラフィ検査を実施します。場合によっては視触診検査も実施されます。

結果通知

検診結果は後日郵送で届きます。異常があった場合は精密検査が案内されます。

任意型検診

予約

希望する医療機関で日時、希望する検査内容を予約します。

問診

対策型検診と同様に、医師または看護師が問診を行います。

検査

マンモグラフィ、エコー、MRIなど、ご自身で希望した検査を実施します。

結果説明

医師から直接結果の説明を受ける場合が多いです。

異常が見つかった場合は驚かれる方もいらっしゃると思いますが、まずは落ち着いて、病院を受診して、精密検査や治療の計画を立てるようにしましょう。

乳がん検診を受ける際のポイント

マンモグラフィの検査を受ける場合は、生理直前~生理4~5日目は乳房が固くなって痛みを伴う可能性があるので、避けて予約すると良いでしょう。

同様に、超音波検査やMRIも、生理直前や生理中は避けて予約を取る方が良いです。

乳がん検診についてもっと詳しく※

※:外部Webサイト(日本乳癌学会「患者さんのための乳がん診療ガイドライン2023年版」)へ遷移します

おわりに

乳がん検診は、検診によって早期発見することで治療効果や生存率を大幅に向上させることができる大切な検査です。特に罹患率の上がる40歳以上の女性は、自身の健康を守るための大切な手段として、2年に1回の検診を受けることが大切です。
日々のブレストチェックとあわせて習慣化し、乳がんの早期発見を目指しましょう。